友達だと思ってた

『オダっち』こと主人公は、大人しいオタク男子。
ある日、オタクの巣窟と化している大学のサークルのメンバー数人で、
アニメ鑑賞会を開く事になった。
オダっちの自宅に集まる計画を立て、紅一点のオタク女子、漆間がやって来る。
「ふーん、ここがオダっちの家かあ。キレーな所だね」
オタクの集いとはいえ、同い年の女子が部屋を訪れる事に、ドキドキするオダっち。
他のメンバーが遅れるというので、ひとまず二人でアニメ観賞をスタートする。
ある時、作中でラブシーンが始まった。
何だか気まずい雰囲気位なる。
「いやぁ、アタシね、こういう場面見ると、エッチな気分になっちゃうんだよねぇ」
挙動不審の漆間は、照れくさそうにそう言う。
「何か、変な雰囲気になっちゃったね、ごめん」
謝る漆間。
そんな時にふと、二人の手が触れ合った。
「オダっち…」
見詰め合う二人。
その顔が、徐々に近づいていった。
残りのメンバーは、皆急用で来られないという。
この場に居るのは、オダっちと漆間の二人だけ。
若い男と女が、密室で二人きり。
誰も、止める者も、邪魔する者も居なかった。
「オダっちってさ、ドーテー?」
甘々な雰囲気になり、もう誰も止められない。
漆間は、妖しい笑みを浮かべ、オダっちにそう聞くのだった。
「安心して、アタシが教えてあげるから」
以前から、美人でスタイル抜群のオタク女子である漆間に、オダっちは想いを寄せていた。
二人の、長い夜が始まる。
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